消費税ゼロで、なぜ飲食店は苦しくなるのか

  1. 2026.1.27  vol.825

 

 

 

小さな飲食店の味方になりたい
飲食店コンサルタントの結城です。

 

忙しいのに売上が伸びない
人が定着しない
クレームで心がすり減る

 

そんな飲食店の“現場あるある”を
一緒に整理し、立て直す仕事をしています。

 

今日のブログのテーマは

 

 

 

消費税ゼロで苦しくなる?!理由

 

先日の党首会談で

 

 

「消費税をゼロにすることでの

飲食業界への影響も考えてますか?」

 

 

という問いに対して

高市首相は

 

 

「飲食業界や関連事業者への

 影響も含めて制度設計が必要だ」

 

 

という趣旨の回答をしていました。

 

 

 

 

それに対し

 

 

「なぜ?!飲食業界が苦しくなるの?」

「消費税ゼロになると仕入れが安くなって

良いじゃん!」

 

 

 

 

という声が

SNSであがっているのを見かけます。

 

 

これについては

飲食業界に関わる方の中でも

誤解されているケースが多く

 

 

私がわかる範囲での

解説をしておきます。

 

 

外食率が減る=客数が減る

 

食料品の消費税が0になれば

 

 

・スーパー等で購入する食料品

・お弁当などの加工品

・飲食店でのテイクアウト

 

 

現在消費税8%の商品が

消費税0%になります。

 

 

 

 

飲食店の中で食事をする場合

消費税は変わらず10%です。

 

 

これまでは2%の差だったのですが

これからは10%の差になります。

 

 

テイクアウトすれば

1000円

 

店内で食べれば

1100円です。

 

 

飲食店で店内飲食をする客数が

大幅に減る可能性がある

 

 

ということです。

 

 

 

 

そしてお酒を出す業態では

原価の高い食べ物ではなく

原価が安い飲み物との

バランスで成り立っています。

 

 

これがお客様が減る。

テイクアウトばかり増える。

となると・・・・

 

 

これまで成り立っていた

外食業界の収益構造が

成り立たなくなる可能性がある。

 

 

 

 

とも考えられます。

 

 

でも仕入れが0でしょ?

 

でもそれはこれまでの話

 

「食材の仕入れが0になるんだから

 原価率も落ちるよね」

 

と思われると思います。

 

 

 

 

確かにそうなんですが

 

 

これまでは預かり消費税といって

お客様には消費税込みの金額を

いただいて

 

 

決算時に消費税を

まとめて支払っていました。

 

 

その消費税が

貰えなくなるということは

売上が下がるということです。

 

 

 

 

これまでキャッシュ・フローとして

使えていた売上がなくなる

 

 

それは蓋をあけてみて

あれ?!と気づくものかもしれません

 

 

 

 

食品にかかる業者さんも厳しい

 

食材消費税0%になると

飲食業だけでなく

生産者さん

食材加工業者さんも

厳しい状態になります。

 

 

消費税は貰えない。

つまり税込売上が下がります。

 

 

 

 

ですが

家賃、光熱費、備品、広告費

肥料や包材運営にかかる費用は

 

 

これまで通り

消費税10%のままです。

 

 

惣菜屋さんや

お弁当屋さんも同じで

貰える消費税はなくなるのに

 

 

仕入れ以外の

支払いは変わりません。

 

 

 

 

弁当屋さんも飲食店、小売店も

「現金商売」なので

 

 

日々の売上に含まれる消費税分が

運転資金(無利子の短期借入金のような状態)

になっています。

 

 

これがなくなることによる

資金繰りへの影響は

厳しい状態になると想定できます。

 

 

貰えるお金は減るけど

払うお金はいつも通り

キャッシュ・フローが減るという

ちょっと苦しい状態になります。

 

 

決算時には増税を感じる人も

 

飲食業界の話に戻すと

 

 

これまでは消費者から

預かっている消費税から

支払った消費税を引いて

差額を納税していました。

 

 

 

 

消費税の納税額が減った分

会計上の「利益(所得)」が増えるため

法人税や所得税の対象額が大きくなります。

 

 

手元に残るキャッシュは変わらなくても

税金の明細が変わることで

トータルの納税負担感が増します。

(還付や控除のメリットが消える)

 

 

決算時にはこれまで以上の

所得税に驚く人も

いると思います。

 

 

 

 

払えないなんて

途方にくれる人も

出てくるかもしれません。

 

 

飲食店の値下げ要求が増える

 

そしてお客様からは

仕入れの消費税が安くなるんだから

飲食店も値下げになる

 

 

と思っている人が多い

 

 

しかしながら

価格は下げられません

 

 

 

 

例えば100円で仕入れて

売価300円+消費税30円
=税込330円で商品を販売しました

 

 

仕入れ消費税が0なので

30円の納税です

 

 

現在の税率

食料品8%の場合

108円で仕入れても

売価は330円で販売します。

 

 

仕入れ時の8円を控除して

22円の納税です。

 

 

どちらも利益は同じ200円です。

構造上、値下げはできません。

 

 

 

 

この仕組みが十分に理解されないままでは

飲食店だけが責められてしまう状況が

増えることを、私は危惧しています。

 

 

消費者は

『安くなる』と期待し

 

 

飲食店は

『会計ごとの利益は変わらないのに
お客様が減る=売上が減る』

 

 

この期待のギャップが
一番怖いんです

 

 

消費税0%は「善か悪か」ではない

 

ここまで見てきたように

『食品消費税0%』は

良い、悪いで語れる話ではありません。

 

 

どこに影響が出て

誰が得をして

誰が苦しくなるのか。

 

 

その構造を理解した上で

制度設計をしないと

現場が壊れます。

 

 

 

 

それを理解した政党にだけ

『消費税0』を語って欲しい

 

 

そして飲食業界の立場からいえば

テイクアウトと外食で

税率が大きく分かれる現状は

正直、かなり厳しい。

 

 

個人的には

外食も含めて消費税ゼロ

議論して貰えたら

経済も活性化してワクワクします。

 

 

 

飲食店に必要なのは「感情」ではなく「理解」

 

消費税が下がったのに

なぜ値下げしないのか。

 

 

仕入れが安くなったのに

なぜ苦しいと言うのか

 

 

この仕組みを知らないまま

飲食店だけが責められる

 

 

それが一番

現場を疲弊させます。

 

 

 

 

沖縄の弁当屋さんを

責める人はいないと思いますが。。。

 

 

もともと消費税を

意識してないような価格で

ギリギリ成り立っている業態です。

 

 

そこから

「仕入れ消費税が

ゼロになったんだから値下げを」

と言われても

 

 

正直

できる余地はほとんどありません。

 

 

 

 

知らないことが一番危険

 

消費税0%の話も

値上げの話も

原価高騰の話も

 

 

一番危険なのは

仕組みを知らないまま判断すること

 

 

感情ではなく

構造で考える

 

 

それが経営者に

求められている姿勢だと

私は思っています。

 

 

 

 

実際に

この法案が通った時のために

 

 

飲食店は何を備えるべきか。

テイクアウト比率が上がるメニュー構造

 

 

も考えておく必要があります。

 

 

 

 

「飲食業界や関連事業者への

 影響も含めて制度設計が必要だ」

という高市総理のお言葉に

 

 

外食も含めた消費税ゼロの未来が
実現することを願っています。

 

 

 

そしていつかは…

消費税ゼロ。

 

ではまた明日✨️

 

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