2025.12.29 vol.796
小さな飲食店の味方になりたい
飲食店コンサルタントの結城です。
忙しいのに売上が伸びない
人が定着しない
クレームで心がすり減る
そんな飲食店の“現場あるある”を
一緒に整理し、立て直す仕事をしています。
今日のブログのテーマは

メニューの出数把握の重要性
今、とあるお店のメニュー分析を
しています。

このお店のウリと聞くと
「ステーキ」「うなぎ」と言われますが
メニューを分析すると
面白い事に「とんかつ」も人気なんです。
カツカレー
カツ丼
とんかつ定食
カツがつくものが
全てAクラスにランクイン✨️

このお店のとんかつを求めて
お客様が来られていることが
良く分かります。
メニューに書き込んでいくと良くわかる
メニューの出数分析は
POSを入れているお店でないと
難しいですが
ぜひやって欲しい分析です。
POSレジ入れていたら
管理画面からだいたいどこのメーカーでも
見れるはずなので確認してみてください。

期間選択で前1ヶ月
今だと11月1日〜11月30日で指定
するとわかりやすいです。
こちらのお店では
東芝テックさんのレジを使っているので
レシートタイプ。
この長いレシートに書いてある
1ヶ月の出数を
コピーしたメニューブックに
転記していきます。

そうすると
メニューブックのレイアウトによって
出数が左右されている事もわかります。
どこに配置すれば
売れるメニューになるのかも分かります。

このお店では
そのレイアウトによる影響があまりなく
きっと「いつもの」と注文する
常連のお客様が多い事も
このメニュー分析で
お店の使われ方が見えてきました。

後、お酒の出数の割に
つまみのメニューの出数が少ない。
ということは
「定食+ビール」のような注文をされる
お客様が多いという事もわかります。
メニューは多い方が良いのか?
メニューが多い事には
はっきりとした
メリットと・デメリットがあります。

結論からいうと
「誰のために・何を売りたい店か」が
曖昧なまま多いのが一番危険です。
ファミリーレストランや
食堂といったメニューが多いお店は
使いやすさもありますが
裏側では
食材の共有やオペレーションなど
詳細な商品設計がないと
運営するのはなかなか大変です。

メニューが多いメリット
① 幅広いお客様に対応できる
好き嫌いが多いグループでも対応しやすい
宴会・家族連れ・年配客などの安心感につながる
→ 誰もが何も頼めない事がない。
② 客単価アップのチャンスが増える
追加注文(つまみ・〆・デザート)が入りやすい
滞在時間が長い店(居酒屋など)では強みです

③ 常連さんが飽きにくい
来店回数が多いお店では
「今日は何にしようかな?」という
楽しみが生まれる
④ 宴会・コース対応がしやすい
人数・予算・年齢層に応じて
組み立てやすい
幹事さんにとって
「使いやすいお店」になります。

メニューが多いデメリット
① オペレーションが複雑になる
覚えることが多い
仕込み・提供・盛り付けに時間がかかる
新人さんが育ちにくい
→ 人件費が上がりやすい最大の原因となる

② 原価・ロスが増える
食材点数が増える
回転しない食材が廃棄になる
原価率が見えにくくなる
③ おすすめが伝わらない
「何が売りたい店か」が分からなくなる
お客様が迷う → 決断疲れ
結果、無難な安いものだけ頼まれる

④ 味・品質がブレやすい
作り慣れていないメニューが増える
忙しい時ほどクオリティが落ちる
クレームにつながりやすい

⑤ スタッフの自信がなくなる
「これ、どんな味?」と聞かれて答えられない
説明ができない=おすすめできない
接客の質が下がる
メニューは「削る」前に「分ける」
ここまで読むと
じゃあメニューは減らした方が良いの?
と思うと思います。
がいきなり削りすぎる事は
お客様の不満足にもつながります。

まずやって欲しいのは
メニューを「役割別」に分ける事です。
メニューを減らすかどうかは
整理した後に決めれば十分です。
メニューの役割分け
① 看板メニュー(来店理由)
このお店でいうと
ステーキ・うなぎ・とんかつなど
「この店に来る理由になるもの」

② 利益メニュー(粗利を稼ぐ)
原価が安く、手離れが良い
ドリンク・一品・追加しやすいもの
③ 回転メニュー(オペレーション安定)
提供が早い
忙しい時に現場を助けてくれるメニュー

④ 安心メニュー(選択肢用)
家族・年配・少食の人向け
出数は少なくても“意味がある”メニュー
この分類ができると
- 「出てないメニュー」
- 「役割がかぶっているメニュー」
- 「手間の割に意味がないメニュー」
が、自然と見えてきます。
出数分析の本当の目的は
メニュー分析の目的は
売れていないメニューを
やめることではありません。

本当の目的は
- 売れているメニューを守る
- 強みを更に引き立てる
- 現場を楽にする
この3つです。
今回のように
「ステーキ・うなぎ」だと思っていた店が
実は「とんかつ」で選ばれている。

これは
お客様がこのお店をどう使っているか。
お店の“本当の価値”を
教えてくれるデータです。

この事実を元に
地元の常連さんに伝えると
「この店は近所にあって、
家では揚げ物をしたくないけど
食べたい時に使っている」
という声が返ってきました。

なるほど、です。
今は
とんかつ、ひれかつ、エビフライ、アジフライ
といった揚げ物メニューですが
・ミックスフライ定食
・沖縄らしくCランチ風の盛り合わせ
などに展開していくのも
面白いかもしれません。

こうした
次の一手のヒントが見えてくるのが、
メニュー出数分析の一番の価値です。
メニューは想いではなく数字で決める
「これを売りたい」
「昔からあるから」
「好きだから」
この気持ちも大切です。
でも、
お客様が何を選んでいるかは
数字がすべて教えてくれます。

出数を見ることは
お客様の声を
好き嫌いの感情ではなく
事実として聞くこと。

メニューを見直すことは
売上だけでなく
- 人件費
- オペレーション
- スタッフの自信
すべてを整えることにつながります。

まずは一度
1ヶ月分の出数を
メニューに書き込んでみてください。
きっと「本当に売れているもの」が
見えてきます。
ではまた明日✨️
